ノンフィクション

  • 2012年07月12日
  • blog


先日、神戸のとある銭湯に行ったときのことです

銭湯と一口に言っても、ここは少々こだわりのある銭湯で、天然の温泉が敷地内から湧き出してます

夢と未来を掘り当てた阪神間でも質の良い日帰り温泉となっております

のれんをくぐり、番台に410円を支払って脱衣所へ

この値段は各都道府県の条例で定められています

戦争により灰燼と帰した我が国は、自家風呂を持たない家庭が増加しました

自家風呂のない住民に厚生施設たる浴場を確保するため浴場の経営の安定化を図る必要性が増大したのです

最高裁は1989年の判決で、規制(公衆浴場設置についての距離制限・浴場利用料金の一律化等)の立法目的は業者が経営の困難から転廃業をすることを防止するという積極的・社会経済政策的なものであると捉えました

この判決を受けて利用料金は一律されているのです

(安い!

服を脱ぎ、まずは温泉の成分をたっぷり吸収するために体をキレイに洗います

洗い終えると最初に熱めの湯船に浸かります

体も熱く火照ってきたところで水風呂(20℃)にダイブ

心肺停止寸前まで我慢する

心臓の鼓動が異常に早くなるのがわかります(笑)

そして源泉浴槽へ…

このスリーSTEPを繰り返すことで新陳代謝がより高まります

源泉温度は約31℃でぬるま湯より冷たくて冷水よりも温かいちょうどいい温度となっております

お湯の色は黄金色で所々に湯の華が浮かんでますよ

これぞ源泉掛け流し

炭酸泉なので泡つきがものすごくしつこいです

払っても払っても肌へぬるりと密着して、まとわり付いてくるじゃありませんか

パチッと弾けた泡沫は気体に変化し、湯けむりに乗ってフワッと鉱物臭を漂わせるのです

そんな至高のひとときを踏みにじるかのようにウェットスーツを着た恰幅の良い大男が近づいてきました

チャポン

ザッブブン

ブクブクブク

いきなり真横に入ってきてそのまま湯船に消えました

まさに天王寺動物園のかばですよ

One Minute 経過後…

プシュシュッという不快な音とともにゆっくり浮上

次の瞬間目覆いたくなるような光景がそこには存在しました

たしかに全身和彫りのコワイ人がそこには存在しました

すぐ真隣に

あ  か  ん

ウ  ェ  ッ  ト  ス  ー  ツ  と  ち  ゃ  う

次の瞬間

コワイ氏「なんや?」バサーン

かばが人間語をしゃべりましたよゴホゴホッ

僕「へ?」

コワイ氏「なに見とるんや?横向かんか~い!」バサーン

僕「え?いえ、あの…バサーン…と…されると…水…飛沫がこちらに…かk」

コワイ氏「あ?なんか文句あるんかいな兄ちゃ~ん?」バサーン

僕「はひ;;」

コワイ氏「おっ!!!?(大声)」バサーン

ひえ~

ただ浴槽に浸かってただけなのに怒鳴られました

一目散にその場から立ち去り、彼の視界から消えました

止めておけば良いのにあまりにもインパクトが強すぎて…

一番遠くの浴槽からかばの水浴びをチラチラ眺めていたのですよ

気づかれないようにです

すると彼は読書を始めました

是非とも何を読んでるのか知りたくなりましたね

コワイもの見たさですはい

なんとかもう一度ゆかなければ…と…

あの場所に!

そして

ついにキター!二度目の潜水

本は浴槽縁にぃぃぃ

浴槽のタイルでずっこけないように注意して、忍者走りでかばのプールに近づきます

タイトルを確認しました!

「長い長い殺人」by宮部みゆき

洒落にもなってません

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